V銀1、銀2、V銀3B はセミステンレス鋼と呼ばれ、炭素鋼とステンレス鋼の両方の特徴を併せ持つ鋼種です。
クロム (Cr) やモリブデン (Mo) の添加により、炭素鋼よりも遥かに優れる耐食性、耐熱性を有します。さらに空冷でも焼入硬度が得られるため、ステンレス鋼のように焼入れが可能です。組織には耐摩耗性に寄与する1次炭化物が分散・点在し、さらに焼入れにより素地(マトリックス)強化に寄与する2次炭化物が均一に分散しています。このようにステンレス鋼の特徴を持ち合わせながら、砥石研削性においては炭素鋼に近似するほど良好です。
また、モリブデン (Mo) は高温強度・耐軟化性を向上させ、バナジウム (V) は素地を微細化する効果があります。
V銀1、銀2、V銀3B を芯材として軟ステンレスを被覆接合した複合材料は 『ステンレス・クロマックス』 として広くご使用いただいております。
C | Cr | Mo | V | 焼入硬度 | |
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V銀1 | 1.00 | 5.00 | 1.00 | 0.35 | HRC61以上 |
銀2 | 0.90 | 7.50 | — | — | HRC62以上 |
V銀3B | 0.85 | 6.50 | 0.80 | 0.40 | HRC62以上 |
※当サイトに記載の化学成分値は、各鋼種の規格値における代表的なデータを示しております。