V銀1の組織は、レーデブライト系1次炭化物が分散・点在し、素地(マトリックス)には微細な2次炭化物が均一に見られます。砥石研削性においては、ステンレス鋼にみられるような難削性はなく、良好な結果が得られます。
成分中に 5% Cr,1% Mo 添加したことで、V銀1は耐食性、耐熱性において炭素鋼より遙かに優れています。さらに 5% Cr,0.8% Moの添加によって空冷でも充分な焼入硬度が得られます。
1% Mo 添加により高温強度、耐軟化性を高め、Vの添加は素地(マトリックス)を一層微細にしています。
さらに銀2及びV銀3Bにおいては、多量にCrを添加して耐食性を改良しています。
V銀1、銀2、V銀3Bを芯材として、軟ステンレスを被覆接合した複合材料は 『ステンレス・クロマックス』 として広くご使用いただいております。
C | Cr | Mo | V | 焼入硬度 | |
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V銀1 | 0.95-1.05 | 4.50-5.50 | 0.80-1.20 | 0.20-0.50 | HRC61以上 |
銀2 | 0.85-0.95 | 7.00-8.00 | — | — | HRC62以上 |
V銀3B | 0.80-0.90 | 6.00-7.00 | 0.70-0.90 | 0.30-0.50 | HRC62以上 |