TAKEFU SPECIAL STEEL CO.,LTD. English

V金1(VG1)

V 金1は不純物の少ない良質な原料を使用し精錬された V 鋼シリーズの原点であり、組織は緻密で靭性が高く、火造り鍛造も良好、熱処理も容易でありながら耐食性に優れたステンレス刃物鋼です。

炭素 (C) を 1.0% 含有しているので素地には硬い1次および2次炭化物が共存しており、耐摩耗性に寄与しています。
クロム (Cr) を 14% 含有して耐食性や強度の向上に最大効果を発揮します。
モリブデン (Mo) は Cr と共に硬い複炭化物を形成し、耐摩耗性の向上、ならびに耐食性の向上に大きく寄与します。

刃物の4大条件である 1)硬い 2)粘り強い 3)摩耗しにくい 4)錆びにくい を実現し、包丁だけでなく、理美容鋏、食品用工業用機械刃物等幅広くご使用いただけます。

C Cr Mo 焼入硬度
V金1(VG1) 1.00 14.00 0.30 HRC61以上

V金2(VG2) ・ V金5(VG5)

V 金 2 および V 金 5 が薄刃用のステンレス刃物鋼として支持されるのには、以下の理由があります。

1. 不純物の少ない原料を使い、精錬した V 金 2, V 金 5 は、機械的性質(抗折・降伏点・伸び・絞り・衝撃値)が大きく改善され、
  研削性や火造り鍛造性も非常によい結果が得られること。
2. ステンレス刃物鋼として成分調整や組織がすぐれていること。
  すなわち通常のステンレス刃物鋼よりも Cr (クロム)と C (炭素)との成分比率を深く追求しています。
  共晶炭化物の晶出を抑え、硬度を可能な限りに高くして、耐食性を最高に生かすために、バランスのよい成分調整比を構成して、
  微細炭化物の均一な組織を形成しています。
3. 素材の鍛錬加工を充分に行っていること。
  厳選された原料を使用しているので、不純物および偏析の少ない鋼塊とはいえ、それらをゼロにすることは不可能です。
  そこで、熱間で鍛錬して偏析を拡散させ、組織のあらい粗しょう部は、緻密で靱りのある材料としています。
  工程中の熱処理も充分に行い、材料の素性を損なわない配慮も厳重に行っています。

V 金 2 は、炭素 (C) の含有量を抑える事で耐食性を高める成分設定としています。またモリブデン (Mo) を添加する事により、鋼材の粘り強さも増しています。刃物として必要な硬さ、耐摩耗性などを備え、研ぎやすさと刃持ちの良さを考慮した設計です。食品機械刃物用としての実績も多々あります。

V 金 5 は、V 金 2 より C 量 , Mo量を増やし、さらにバナジウム (V) を添加する事により、炭化物を微細化しています。
硬度、耐摩耗性、耐食性ともにバランス良く、一般向けのキッチンツール用として支持されています。

C Cr Mo V 焼入硬度
V金2(VG2) 0.65 14.00 0.15 HRC58以上
V金5(VG5) 0.75 14.00 0.30 0.15 HRC59以上
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※当サイトに記載の化学成分値は、各鋼種の規格値における代表的なデータを示しております。